井上健一郎さんにインタビューさせていただきました。

第2回のインタビューは、
「人を変える。組織を変える。」人材戦略コンサルタントで

アカラ・クリエイト株式会社 代表取締役の井上健一郎さんです。?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" /

 

Q 井上さんのお仕事はどのようなことをされているのですか?

A 人事、人材関係の開発を中心としたアドバイザーとして活動しています。

 

Q 今、一番力を入れたいと思っていることは何ですか?

A リーダーシップを育みたいと思っています。組織は今まで以上に創造性が求められています。人と人との関わりの中でのストレスを無くしたいと思っています。

 

Q 最初に働いた職場はどんな会社でしたか?

A CBS・ソニーレコード株式会社(現:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント)です。

最初は生産管理でした。工場のコントロールや在庫管理などの仕事をしていました。それから、制作、営業、プロモーション等、色々な仕事を経験させてもらいました。一番好きだなと思ったのは営業ですね。

レコード会社なので、感性で動くことが多く、論理的な思考が少ないのですが、その中で営業は論理と感性のバランスがよく、それが好きでした。右脳と左脳を両方使う感じですね。

 

Q ソニーと言えば誰もが憧れる会社ですが、どうして辞めようと思ったのですか?

A 前々からサラリーマンとしてやっていくことは、定年間近になってからだときついので50歳でリセットしようと思っていました。何か違うチャレンジをしようと思っていたんです。

音楽産業はものを生む人と伝える人がいて、感性の伝言ゲームのような感じで、とにかく人が何を感じたかを大事に仕事をしていました。しかし、一般社会では「べき論」が多くて「◯◯したい」が少ないので、音楽産業で培ってきた感性を伝えるということが一般社会に活かされるんじゃないかと思ったんです。

 

Q 井上さんは、仕事柄色々な人事の担当者とお話する機会が多いと思いますが、人事の方からの悩みでよく聞くことはどんなことでしょうか?

A 人事はケアサービス部門になっていて、その他の業務的な感じで、会社全体の先頭に立てていないのが現状です。

人事の大切さが軽んじられていて、そこからくるやるせなさや、こんなもんだろうという諦めがある人が多い。

だからこそ、人を採用するときも評価するときも「どうすればいいんでしょう?」と漠然としている感じがします。

 

Q それでは、どのような採用の仕方をすることで、採用する側も採用される側も満足がいくと思われますか?

A 採用の時に手間をかけると、ちゃんと見てくれたんだということが伝わり、納得度が高くなると思います。

そうすると、不採用になった人も満足できるんですよね。

一生懸命採用に手間をかけている会社は、長く努めてもらうことを考えているので採用に手を抜くことがないですね。

だから、採用の理由を聞いて感極まって泣く人もいます。

採用側からは学生達がどんなことを考えているかわからないという悩みをよく聞きます。

携帯やスマホしか使ってこなかったので、ビジネスの電話やメールがきちんと出来ない人が多いという話も聞きます。

 

Q これから、就職をしようと思っている人たちに、何かアドバイスはありますか?

A マニュアルに書かれているように「積極的、前向き、明るい」ということを言う人が多いですが、自分が大切にしていることや、自分が思っている本当のことをきちんと自分の言葉で言えるといいですね。

志望動機やコアな魂ベースになるようなこと、または自分はどんな人間になりたいのかなど、そんな価値観に触れるような話をもっとする方がいいと思います。

「なんでもやります!」ではなく会社への貢献の意味も含めて何がしたいのか、何ができるかをはっきり伝えることも大切だと思います。

自分が本当にやりたいことを伝えた上で「経験のためになんでもやります」というスタンスを示すと良いと思います。

まずは経験してみることが大切ですね。

私自身も何で学生の時にもっと勉強しなかったんだろうと思いますし、無性に勉強したくなる時期がありました。今大学に進学することを考えている人は必ずしも大学に行って就職という人生を選ばなくても良いと思います。以前は自分が人事関係の仕事をするとは思っていなかったですが、実は、思い返せば大学の時に「45歳定年説」というテーマで卒論を書いていたんですよ。

 

Q 井上さんにとって仕事とは一言で言えばどういうことでしょうか?

A 自分の存在価値を最も表すことが出来る場所であると思います。

 

人生の中で確立したいものを具体化するものが仕事で、仕事をするというよりも仕事で何をやれるかが大切ですね。